第 1 章  新パートナー

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近視の目をやや細めて、私の顔をまじまじと見た。 その無表情で威圧的な視線に体が硬直した。 さぞかし(はた)から見たら、ロボットがお辞儀したような格好だったに違いない。 「山村です。ヨロシク、オネガイイタシマス」 やだ、カタカナになっちゃった! 曲げた腰を伸ばすと、相手の首元・・・ネクタイの結び目あたりを見た。 極度の緊張で相手の顔をまともに見られないときの私独自の解決策。                               「こちらこそよろしく」 先ほどの自己紹介より穏やかに聞こえたバリトンの声。 しばらくして慣れてきたら温厚な人柄だった。 第一印象で損をする人ね。 ・・・という感じになる上司だといいなあ。
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