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倉庫の奥に荒く傷んだ畳が二枚敷かれていた。その上には、昭和初期を匂わせる整理箪笥が置かれている。直接倉庫の床に置くのを嫌ったのだろう。まだその役割と機能を活かすべく、損傷の少ない木肌を晒して働いている。それを背にして畳の中央付近にまばらに集合した小人達。若者や中年層が多く、老人が数名、女性が二割程混じってはいるが、子供の姿はない。皆、狩りを終えて来たばかりのようで、手には武器と荷袋を携えていた。
お互いに挨拶を交わし、今日の成果を見せ合う。
レンとジンも畳の場所にたどり着くと、その和の中に加わる。
二人の人気は小人の中でも高く、姿を確認した他の者達があちこちから声を投げかける。
「よう!二人とも調子どうだいっ」
「おかえり、未来のエースたち!」
「今日は何体仕留めたんだ」
様々な言葉。活気に溢れる風景だ。それに律儀に応えていくジンは早々に取り巻きに捕まり、足を止める。
レンはいつもの事なので余り相手をせずに先を歩く。必然と二人の距離は開いた。が、その内また追いつく事を、赤い帽子は知っている。
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