プロローグ02 [成田リナ]

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しかもアイツ、 自分が遊びたいものだから、 結婚は私が24歳になってからって。 それまで私、彼氏も作れないし、 エッチもしちゃダメってことでしょう? 生殺しだわ。 女ざかりを無駄にしろと、 花の時期を早く枯らしちまえと、 そう言うのか婚約者殿よ。 仕方なくラノベを読み、 エロシーンに欲情し、 それが徐々にエスカレートしてしまい、 私は自分で官能小説を書き出す。 参考資料となるAVを自由に観たいため、 師事している教授がそこにいるからと、 親に嘘をついて東京の大学に進学。 そして大学在学中に出版社へ原稿持込。 なぜか異常に編集者から気に入られ、 即デビュー。 私を見出してくれた担当者は、 とても美しい女性で、 妹のように可愛がってくれたのだが、 その半年後、彼女は退職した。 作家からのセクハラに悩み、 体調を崩してしまったのだと。 もうこれ以上は限界だったのだと。 女性作家である私を推したのは、 そんなセクハラをしないからという 理由もあったらしく、 >最後まで面倒を見れなくてゴメンね。 そう言って、 彼女は去っていった。 …当時の私は、大学を卒業したばかりで。 就職はせず、 小説1本で食べていく決意を固めていて。 なぜかと言うと、 あと1年もすれば地元に戻され、 あの男と結婚させられるからで。
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