18話大切なひと(前編)

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・ 「‥ケバブ‥」 あおっ♪ ケバ!ケバ!ッ♪ケバブぅ~ よぅ!よぅ!ケバブ!!♪アォ♪ 苗の頭の中で自作のケバブミュージックが流れ始める。 「なに、んなに眺めてんだ?早く食べろよ」 いつの間にかトイレから戻ってきた晴樹が言った 「兄さん‥見て── ケバブだって‥//‥」 「……?…よかったな…」 何が言いたいのかわからない。そんな苗は疑問顔の晴樹の前にケバブを差し出す‥ そして貴志がいった 「お前、コイツの恩人だって?なに、やったんだ?」 「べつに…」 熱いケバブをハフハフ言いながら頬張る苗に、晴樹も貴志も目を奪われながら会話をかわす。マスターはボタボタと汁を溢す苗の世話を甲斐甲斐しくやいていた。 「旨いかな?‥//」 「ファィ!!」 溢れた汁を拭きながらマスターは苗を微笑まし気に見つめていた。 「お前もこんなして世話してんのか?」 「いや‥っ‥ ‥た、たまに、かな?…//」 二人でそんな話しをしていると再びドアがカランと開きいかにも“ヤクザ風”の男が店の隅の席に腰掛ける── そして一瞬、貴志の眼が鋭くなった。 その表情を見た晴樹とマスターも互いに目配せをしていた‥
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