18話大切なひと(前編)

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・ 平日はバイトとチーフに任せ繁盛期の金・土曜日は店に出ている‥ だが、最近…貴志のお陰で店に似合わない客も増え始め少々、困惑気味だった‥ タクシーがつき、晴樹は自分の車に積んでいたタンクも乗せて苗を見送る‥ その間、店にいたヤクザ風の男は携帯でどこかに電話をかけていた。 苗を乗せたタクシーを見送り晴樹は店に戻る‥ 苗の乗ったタクシーの3台目の後車を黒塗りの高級車が追けたことに気づかぬまま、晴樹は店の席に戻っていた‥ 「なんか始まんのか?」 晴樹は怪しい男の方にチラッと目を向け貴志に小さく話しかけた 「ん~… まぁ、ちょっとな」 「気をつけろよ? ちょーしこいてるとこの世に居れなくなるぜ!?」 言葉はキツイが友を心配してのことだった‥ ただ、やっぱり貴志は極道世界に生きる男‥命の危険とは常に隣合わせで生きている。 今更、ソワソワしたところでどうにもならない── それは本人が一番理解している。 「俺が死んだら裸踊りでもして祝ってくれよ!」 「あぁ、お前の遺体も裸に剥いてケツに薔薇の花挿してやる」 「い、痛そうだな‥」 答えた晴樹に貴志は頬を牽き吊らせ苦笑いを返した。
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