それでもその一言だけは言わない

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翌日俺は彼女の前にいった。 「ようやくお前を見つけた気がしたよ。あれから5年も経ってようやく、見つけれたんだ」 俺は二本の線香に火を着ける。 「サヨウナラはダメなんだよ。一方的に言われたら探しちゃうじゃないか」 俺は一つの小さな箱を墓の中に入れる。 「やっぱりさ、お前じゃなきゃ俺はダメだった。でもこれからはあの娘のために進むよ」 遠くから少女の声が聞こえる。 「いつになるかわからないけど、いつかお前のところに俺も行く。だから俺はお前にこういうよ」 俺は走ってくる少女に向かって歩く。 そして、飛び込んでくる愛娘を抱きしめる。 『またな』
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