それでもその一言だけは言わない

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「まさか……その子は……」 俺はなんとか開けれた口で聞く。 「ああ、△△は君とあの子の娘だよ」 俺はまた、涙を流す。 父親が立ち上がり泣き崩れる俺の背中を擦る。 「××は手術をしない代わりに△△を産んでから死んだんだ。だから、命が繋がれたんだ」 俺は泣き叫ぶ。 何で泣いているのかもわからず。 少女が俺の側に寄る。 「どうちたの?」 「ああ、なんでもないんだ。なんで泣いているのかもわからないんだ」 俺と少女は目を合わせる。 俺と少女は初めてはっきりと顔を合わせた。 そして少女はこう口にしたんだ。 「パパの匂いがする」
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