0人が本棚に入れています
本棚に追加
そうして数日経ったある日のことである。
私が町に買い出しに行った帰りに、最後の山道をえっちらおっちら歩いていると、足をくじいたためかしゃがみこんでいる娘がいた。
私が声をかけると、どこかで休ませて欲しいと言う。
「歩けるか?」と聞くと、
娘は「はい。」と答え、何とはなしに、私の家までついてきた。
娘の名は「らうね」と言った。
「聞かぬ名じゃ。」
私はそう言ったが、娘はにっこりと笑っていた。
着ている服はたいそうぼろであったが、娘は気が利いた。
その日から、娘は私の家に住み着くようになった。
いつしか私は娘と結ばれた。
最初のコメントを投稿しよう!