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ぐしゃ。
すぐ後ろで肉が潰れるような、嫌な音がした。
振り返るとそこには、一人の男子生徒が血液やら体液やらを流しながら倒れていた。
「え……」
一瞬の静寂の後、辺りに次々と悲鳴があがった。
下校時間を迎えていた昇降口付近には多くの生徒がいた。甲高く叫ぶ生徒、顔を背け震える生徒、落ちてきたそれをただ唖然と見つめる生徒。
そんな中、どこからか声があがる。
「おい、あれ、もしかして萩野じゃ、ないか」
うつ伏せで倒れているため、男子生徒の顔は見えない。彼の頭は割れているようで、血と中のモノが周りに飛び散っている。
そのおぞましくも、ある種の芸術作品のようなソレを、私はただじっと見つめていた。
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