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「キャー!!」
何事もないある日の夜。
居間の壁に銃弾が打ち込まれた。
壁の前に置かれていた花瓶が派手に破壊される。花瓶の水がフローリングの床を這うように、広がっていく。壊れた花瓶の足下には花々が無惨な姿をさらしていた。
部屋には二人、黒いコートの男がオートマチック式の銃を美女の眉間に突きつけている。
生温かい銃口の熱から女は恐怖した。
妙な温かさのせいで、無惨に風穴が出来た壁を想像してしまったからだ。女はスマホをぐっと握りしめる。彼女は緊張で呼吸がうまくできていない。
「3回だ、愛菜(あいな)」黒コートの男がドスを利かせて言った。
「な……」愛菜は体をビクッとさせる。
「今から愛菜にある質問をする。3回、回答権をやる。もし、答えが出せない場合つまり全部回答が不正解だったら……愛菜の頭はあの花瓶みたいになる」
「そんな……拓哉。質問に答えられなきゃ、私死んじゃうの」
拓哉は無言で、眉間に銃口をつきつけた。
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