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「そのくらいの事はしただろ。自分の胸に聞いてみろ、不貞者。探偵に調べさせて、君が不倫している事はもう知っている。それも……妻子ある男性と。でもね、僕は君を愛しているから、3回もチャンスを与えてるんだ。いいか、一回しか言わないからな……よく聞くんだ」
ごくりと愛菜は生唾を飲み込む。
「では……質問だが」と拓哉は淡々と質問を告げた。
※※※
時間は少しさかのぼる。
東京五反田にある高級住宅街の中で、ひときわ大きな邸宅があった。
きらびやかなシャンデリアのある居間に、飾られた鷲の剥製が部屋中をにらむ。家具も調度品に至るまで、一目で高級品とわかる。
部屋の中央には巨大なスクリーンがあり、バスローブ姿の美女がふかふかソファに座り、スクリーンに移されたカップルの姿に見惚れていた。
画面内では断崖絶壁にいるらしいカップルの顔がアップになった。
『君を愛してるよ……永遠に』
画面内の男は言い終えると、すぐさま女性の唇を奪った。
「キャー!!」バスローブの女は嬉しい悲鳴を上げる。リモコンで映画を停止させ、うっとりとした表情で両の肘を組む。
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