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「カズちゃん、いる?」
部屋の中へ入って行く、リビングルームや
奥の居間を観てもいない様子。
「怒ったの?ゴメンね」
ニヤつきながら、オドケル晃。
(ギー、ギー)
何処からか不気味な音が聞こえてくる、
晃が辺りを見渡す。
音が聞こえてくるのは風呂場から、
風呂場の扉を開けると。
「カズヨー! どうしたんだー!!」
驚愕の余り晃が叫んだ、その光景は
残酷に値するものだ。
風呂場にある窓のとっての部分に
ロープを掛け、和代が首吊り自殺を・・・
脱兎の如く宙に浮いている、
両脚に抱きつく晃。
「ゴメンよカズちゃん!
俺が悪かった~」
大声で泣き喚く晃、和代の首には
しっかりとロープが食い込んでいる。
首がくの字に曲がった無機質な顏の下で、
床に跪きながらいつまでも泣いていた。
赤や黄色の薔薇の花が無惨にも、床に散り
ばめられている。
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