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この日、
2杯目のコーヒーを持って来た巴さんは、
そのまま隣席に居座り。
私に彼氏がいるのかと訊いてきた。
「い、いませんよお」
「ええっ?!だってマミ先生、
そのへんのアイドルより可愛いのに」
過去にはいたのか、
どんな男がタイプなのか、
実は紹介してくれと言われているのだが、
連絡先などを教えてもいいか、
ダメならばどう断ればいいか。
日頃、多忙なせいか
その口調はすごくセッカチだ。
返事を急かされまくり、
アワアワしている私に巴さんは続けた。
「中田さんはダメですよお。
あの人、オンナ関係すごく派手ですから」
ドキン、とした。
見透かされているのだろうか、
ココに来た理由を。
「ま、まさか全然タイプじゃないですよ。
たぶん向こうもそうじゃないでしょう」
「まあ、確かに。
中田さんの連れてる女性って、
どの人もモデル級の美人で
お色気ムンムンだから」
グサッと傷ついた。
胸がズキズキする。
やっぱりそうだよね。
私は鵜飼の鵜で、
彼にとってあの行為は躾のようなものだ。
ううダメだ、書く気が失せた。
この失恋気分をどうしてくれるのか。
そんなとき内線電話がプルルと鳴った。
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