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「…ああ、もう。
せっかく調子を上げたと思ったのに、
これまた急にダメダメだな」
「ど、どのへんがダメですか?」
「やっぱ、定期的にしないと効果ないか」
「な、何がですか?」
ナカダ氏の要望に従い、
今日も我が家はカーテンを開け、
陽光がサンサンと降り注いでいる。
そんな健康的な雰囲気の中で彼は続けた。
「リナ、お前ワザとやってるだろ?」
「へ?は?」
「エロいことして欲しくて、
ワザとクソみたいなプロットを
書いたんだろうってコト」
「そ、そんなことは有りませんッ。
魂を込めて、今回も書きましたッ」
ネクタイを緩めながら彼は立ち上がる。
「…とてもそうは思えないんだよ。
あのな、やっぱ妄想はさ、
実体験が有ってこそ生きるワケだ。
どんなにリナが頭の中で、
奇想天外な案を生み出したとしても、
それをイザ文章にしようとすると、
やっぱり雑になる。
経験していないことは書けないからな。
そして、読み手側はそこで冷める。
いつかお前は限界を感じるだろう。
いや、もう既にその予兆が見えてきた。
やろう、リナ。
最後まで挿れないから。
もっともっと面白い作品が、
お前なら絶対に書ける!
…俺を信じて、ついて来いッ」
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