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「このチョコレートを食べたら、またお父さんはお母さんの事好きになる?」
母親は鍋の中をしゃもじで丁寧にかき混ぜる。
「……少なくとも今の女の人には行かなくなるわ」
植物はチョコレートに完全に溶け込んだ。
「でも、帰って来なきゃ食べれないね」
幼い娘の言葉に、
「……そうね」
母親の顔は歪んだ。
「ちょっと待ってて」
幼い娘は椅子から飛び降り食器棚へ。
戻って来た時には、小さなお皿とスプーンが手に握られていた。
足だけで椅子の上へと戻り、
「お母さんの愛情がたっぷり入ってるんだったら……」
鍋からスプーンでチョコを皿に移して、口でフーフーと冷まし、
「私が食べたげる」
そのまま口の中へ。
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