第1章

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「画面に触れて見てください」 丸山はインターネットブラウザのアイコンに軽く触れた。映像がネットの画面に瞬時に切り替わった。丸山は指をスライドさせたり、タッチしたりしてしばらく楽しんだ。 「どうです、違和感ないでしょう?」 田神は自信に満ちた表情をしていた。 「え、あっ、はい」丸山は一瞬遅れて顔を上げた。 「すいません、夢中になってました。ほんとに違和感ないです。いつも使ってるスマートフォンと同じ感覚ですね。素晴らしいと思います。」 「気に入って頂けたようで、持ってきたかいがありました。」 「この先スマートフォンに取って代わるんじゃないでしょうか。その証拠にと言いますか、約一時間前の午前十時に全国の携帯会社、家電量販店で販売された『Wear Phone』は既に全て完売したようです。どうやら是が非でも購入するために二日前から並んでいた人もいたようですよ」
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