第1章

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「ありがたいことです。」田神は頭を下げた。 「そういえば、購入した方にはプレゼントがあるんですよね」 「そうなんですよ。いや、こちらから話すつもりだったんですけど、なんか気を使わせたみたいですいません。プレゼントというか、箱の中に一緒に入ってるんですけど」 田神は再びスーツのポケットに手をいれ、何かを取り出した。 「それはストラップ、でしょうか」 丸山は田神が手にした物を見て言った。紐の先端には目が異様に大きい猫のマスコットがぶら下がっている。 「そうです。これはうちの会社のマスコットキャラクターです。あまり認知されてないようなので宣伝ためにつけました。」 「あ、宣伝なんですね。商品と関係あるのかと思いました。」 「中々鋭いですね。実は商品と関係が大いにあります。丸山さん、それどうやってはずすと思います?」 田神は丸山の耳元の機器を指差した。
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