2人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっと、確かに手では取り外せそうにないですね。あ、もしかしてそのストラップが……」
「素晴らしい。そうです、このマスコットの頭部のボタンを押せば外せます」
「おお、今日驚いたの何度目だろう。ちょっと押してもらえませんか」
「いいんですか?」
「ええ、お願いします」
「あなたの首から頭がはずれることになりますよ」
「え?」
田神が右手の親指でスイッチを押した。
その瞬間、丸山の耳元の機器が爆発して、彼の頭部が吹き飛んだ。血液、肉片があたりに飛び散った。スタジオが一瞬水を打ったように静まり返った。やがて、誰かの悲鳴、怒号。
「お、おい、カメラを止めろ!今すぐに、全部だ!あと、救急車呼べ!」
スタッフの誰かが叫んだ。
人々があたふたと動きだし、スタジオは一気に騒がしくなった。スタジオ内にいたほぼ全ての人が先程の出来事を理解しようと躍起になっている中、ただ一人、田神総司だけは目の前の首から上が無い死体を静かに見つめていた。
最初のコメントを投稿しよう!