第1章

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※ 貴文は家に帰り自分の部屋へ向かった。 「汗をかいたから着替えてくる」と千佳が言ったため、先程家の前で別れた。二人の家は近く、幼稚園の頃から家族ぐるみで付き合いがあった。 二人は現在高校二年生で同じ学校だったが、クラスは別である。 恋人同士という訳ではなかったが、お互い気兼ねなく話せるような関係だった。周りからは付き合っていると認識されているが、まんざらでもなかったので否定していない。 「さてと、充電するか」 機器本体が入っていた箱の底に充電器を見つけ、机の上に取り出した。 貴文は充電しようと、耳から機器を外そうとした。しかし、がっちりと耳に固定されていて取れなかった。
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