第1章

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「だから急いで電話したのよ。それに……」 千佳は何故か言葉を切った。 「それに、何だ?」 「爆弾ってスイッチを押したら爆発するものでしょ」 「それはそうだろうな、それで?」 貴文はどうにも千佳がその先の言葉を口にすることを躊躇っている感じがした。 「そのスイッチがあのストラップみたいなの」 あの爆発はP&V社の社長がストラップにぶら下がっているマスコットを触った直後に起きた、とニュースで報道されていたらしい。 貴文はテレビをのニュースに耳を傾けた。 ストラップを触って爆発した、という事故が相次いで発生しているようだった。
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