第1章

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「あのストラップが……」 貴文はストラップを公園のベンチに置いてきたことを思い浮かべた。 「公園に置いたままだとやばいって」 「誰かが拾って無闇に触られたらマズイな」 すぐに通話を切り、家を出て公園まで走った。 もしも既に誰かに拾われていたりしたら……。 事情を知らない人が拾ってスイッチを押してしまったとしたら……。 貴文はすぐさまその想像を打ち消した。まだあれから一時間も経ってはいない。誰もあのベンチに近づいていないことを祈るしかなかった。
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