第1章

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「これ、今ニュースでやってるやつだろ?」 急に男がこちらを振り向いて言った。 「だったら何だよ。それを返してくれないか」 「いや、ちょっと人が死ぬところ見てみたいなぁって」 男は不気味な笑みを浮かべた。 「まさか、お前」貴 文はストラップを取り返そうと男に飛び付いた。 男はそれを予期していたようで、あっさりと横にずれてかわした。 「自分の命がかかってるとなると必死だねぇ。まあ、そりゃそうか。これ返してほしい?」 男は貴文の顔の前にストラップをぶら下げた。 「当たり前だろ!早く返せよ!」 「いいね、その焦った顔。爆発したらどうなるんだろうね」 「やめろォ!!」 男は貴文の制止を振り切り、マスコットの頭部のスイッチを指で押した。
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