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彼女の心配をよそに二人とも商品を購入することが出来た。すぐさま店を出て、二人は近くの公園へ向かった。ベンチを見つけ、並んで腰かけた。
「まさかあんなに人が並ぶなんて、想像してなかったな。ああまでして買うものか?」
「あんだけ説明したのに……」
千佳が驚いた表情をした。
「これは絶対にはやると思う」
貴文は袋から商品を取り出した。箱の側面に『Wear phone』と書かれている。
「なんだっけ、画面が浮かび上がるとかなんとか」
「そう、携帯がそこにあるかのように画面が表示されるの。本体はかなり小さくて、耳につけるだけ」
「とりあえず買ったんだし、開けてみるか」
貴文は箱をあけ、中に入っていた機器を取り出した。
千佳が言うように確かにかなり小さい。指でつまめるサイズである。直方体の形でボタンやレンズがついていた。
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