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「これを耳につけるわけか。どうやってつけるんだ、これ」
「ちょっと貸して」千佳が機器を受け取り、貴文の耳元に近づけた。
モーター音がした後、数秒後には耳に完全に固定されていた。
「何が起きたのか全然分からないんだけど。それにしても軽いからつけてる感じがあまりしないな。」
「これからは携帯を出し入れする必要がなくなるってことよ」
いつの間にか千佳も耳に機器を取り付けていた。
「電源ボタンはどれだ？」
貴文はボタンがいくつかあったのを思い出した。
「ちょっと待って」千佳は箱の中から説明書を取り出した。「えーとね、上の面にあるボタンを長押しだって」
「ん、これか」
貴文は手触りでボタンを探し長押しした。しばらく待ってみたが何も起こらない。
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