love・again

「ママ、おかえり!!どうだった!?」

瑠璃は私の結果報告を心待ちにしていた。だから私は、娘が喜びそうな話だけをした。チョコを桐谷にあげてしまった事や、男と二人きりで逢っていた事、その相手と連絡先の交換をした事。それらの事実は嘘に変えた。

「ねぇ、写メは？」
「あ、ごめん撮ってない」
「えー!!。わたしも見たかったのに中山くん」
「大丈夫、桐谷が後で写真送ってくれるって。デジカメで撮りまくってたから」
「んー。ならいいけど、来たら絶対見せてね」

その夜、中山くんの夢を見た。現在の彼と逢ったばかりなのに、その姿は中学生のままで、いつも通り私は遠くから見つめているだけ。大人になった彼と普通に話せる様になったのに、なぜ夢に変化もなく、私は臆病なままなのだろう。