2人が本棚に入れています
本棚に追加
あぶないラブストーリー
6月に入ってジメジメとした日々が続いている。
原田くんにこれといった動きは見られなかった。
危険人物だとしても恋心はおさまらなかった。
むしろ、彼がドンドン好きになっていった。
あぶない刑事が好きなワタシからしたら、原田くんみたいなタイプは大好物だった。
三枝瞳からもらった秘密兵器を使いたいのだが、なかなか勇気が出なかった。
第1週の金曜日、今日は工場研修だった。
海外から輸入されたカカオ豆を《選別》する。
悪い豆やゴミを除去し、よい豆を選ぶ。
さらにカカオ豆を砕き、皮を取り除きカカオニブを造る。これが《分離》と呼ばれる工程だ。
《焙妙》カカオニブを炒り、熱を加えると苦味が弱まる。カカオ豆の独特の薫りが生まれる。
数種類のカカオニブをブレンドし《配合》する。
《磨砕》カカオニブを細かくすり潰し、カカオマスにする。
カカオマスにココアバターや砂糖、ミルクを混ぜて《混合》する。
5段ローラーにかけてなめらかにする。《微粒化》と呼ばれる。
休憩のチャイムが鳴り響く。
食堂でNHK《サラメシ》を見ながらお手製の弁当を食べた。本日のメニューは鶏そぼろだ。
原田くんが少し離れた席にいる。
七瀬雪美って同期の女子とくっちゃべってる。
あの女か!?ワタシから原田くんを奪うために、あんな怪電話をしたんだ!
「ぐぬぬ…………(# ゜Д゜)」
5段ローラーでグチャグチャにしてやりたい!
休憩時間はあっとゆー間に終わった。
《精錬》コンチェって機械を使って練り上げる。
この工程にかなりの時間がかかる。
原料が均一化されチョコレートらしくなっていく。空には一番星がキラリ☆☆☆
《調温》チョコの温度を調節し、ココアバターを安定した結晶にする。
ベルトコンベアーで運ばれるチョコを型に《充填》して振動を与えて気泡を除く。
市松製菓ではここで特殊なクスリを加える。
これにより《透視》や《瞬間移動》が可能になる。
《冷却》冷却ベルトに乗せて、冷やして固める。
型からチョコを剥がす《型抜き》と《検査》をして、アルミ箔で《包装》しケースに箱詰めする。
品質を安定させるために湿度を調整した倉庫の中で《熟成》させる。
こうしてチョコレートは完成するのだ。
原田くんのパソコンに秘密兵器を仕掛けた。
《今夜遊ぼう?(^w^) U・N》
最初のコメントを投稿しよう!