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「ソレイユ、何か言うことないかな?」
綾が僕に言った。
「莉愛、ありがとう」
僕は莉愛に言うと、莉愛は元気よく、
「はいっ!どういたまちてっ」
と莉愛はニコニコだ。
「莉愛それを言うなら、どういたしましてだよ」
匠が訂正する。
「どういたまちて?」
首を傾げてもう一度言った。
上手く言えてないそれがとても可愛い。
莉愛を見て薫もマリィも綾も、笑顔だ。
それがとても僕は嬉しかった。
大好きな人達に囲まれて、幸せだ。
2日後、バレンタインデーの日。
朝、薫がいつもより沢山のお魚をくれた。
この間、来た時マリィと綾が作って置いていったのもくれた。
「これは私と莉愛からね。で、こっちがマリィさん、右のは綾さんから」
もちろん、チョコレートではない。
でも、僕はチョコレートでなくても大丈夫だ。
並べたのを、僕は眺めていた。
その僕の後ろを支度をしていた匠が通り、
「おお~、プテちゃんモテモテだな」
とからかう。
「はい、パパっ」
つかさず、莉愛がリボンのかかった箱を匠に手渡した。
匠は凄く嬉しそうな顔で、
「莉愛、ありがとね~。パパは幸せだ~。今日もお仕事頑張りますっ」
デレデレしながら言って、仕事に出掛けて行った。
匠…案外、単純…?
まあ、いいや。
薫と莉愛がくれたのは今食べて、マリィ達から貰ったのは僕の部屋に持ってこっと。
沢山のお魚をペロリと食べて、部屋に戻る。
…この間、食べたのと違う色のこれ、まだ何か聞いてないけど…、白いのはとても美味しいかった。
神崎先生監修って言ってたけど…。今度、聞いてみよ~っと。
そして、僕の部屋には額に入った莉愛の絵がかざってある。
それを見るとニヤニヤしちゃう。
これも、マリィ達から貰ったのも僕にとって、大事な宝物になった。
幸せな僕の宝物──。
「…でも、チョコレートって美味しいの?甘いの?」
僕の問に
チョコレートマフィンを頬張りながら、匠が呟く。
「…プテちゃん、そっちは壁だぞ。壁に話しているのか?」
そして、数年後。
神崎動物病院で世界初動物が食べられるチョコレート味のお菓子が発売された。
終
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