僕の宝物

6/6
前へ
/14ページ
次へ
「ソレイユ、何か言うことないかな?」 綾が僕に言った。 「莉愛、ありがとう」 僕は莉愛に言うと、莉愛は元気よく、 「はいっ!どういたまちてっ」 と莉愛はニコニコだ。 「莉愛それを言うなら、どういたしましてだよ」 匠が訂正する。 「どういたまちて?」 首を傾げてもう一度言った。 上手く言えてないそれがとても可愛い。 莉愛を見て薫もマリィも綾も、笑顔だ。 それがとても僕は嬉しかった。 大好きな人達に囲まれて、幸せだ。 2日後、バレンタインデーの日。 朝、薫がいつもより沢山のお魚をくれた。 この間、来た時マリィと綾が作って置いていったのもくれた。 「これは私と莉愛からね。で、こっちがマリィさん、右のは綾さんから」 もちろん、チョコレートではない。 でも、僕はチョコレートでなくても大丈夫だ。 並べたのを、僕は眺めていた。 その僕の後ろを支度をしていた匠が通り、 「おお~、プテちゃんモテモテだな」 とからかう。 「はい、パパっ」 つかさず、莉愛がリボンのかかった箱を匠に手渡した。 匠は凄く嬉しそうな顔で、 「莉愛、ありがとね~。パパは幸せだ~。今日もお仕事頑張りますっ」 デレデレしながら言って、仕事に出掛けて行った。 匠…案外、単純…? まあ、いいや。 薫と莉愛がくれたのは今食べて、マリィ達から貰ったのは僕の部屋に持ってこっと。 沢山のお魚をペロリと食べて、部屋に戻る。 …この間、食べたのと違う色のこれ、まだ何か聞いてないけど…、白いのはとても美味しいかった。 神崎先生監修って言ってたけど…。今度、聞いてみよ~っと。 そして、僕の部屋には額に入った莉愛の絵がかざってある。 それを見るとニヤニヤしちゃう。 これも、マリィ達から貰ったのも僕にとって、大事な宝物になった。 幸せな僕の宝物──。 「…でも、チョコレートって美味しいの?甘いの?」 僕の問に チョコレートマフィンを頬張りながら、匠が呟く。 「…プテちゃん、そっちは壁だぞ。壁に話しているのか?」 そして、数年後。 神崎動物病院で世界初動物が食べられるチョコレート味のお菓子が発売された。 終
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加