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「ソレイユ、どうせ僕には関係ないって思っているでしょ」
これは綾だ。
「だって…僕は…」
そう言うと、綾は一旦、その場を離れてキッチンに行き、何かを持って帰ってきた。
そして、マリィに渡した。
マリィはうふふと笑って、僕の前に差し出した。
それは白い魚の形をしていた。
「これは…?」
「はい、口開けて」
マリィは僕に口を開けるように言ったので、言う通りにした。
舌の上にそれを置いて、
「そのまま、とけるから味わって」
と言うので、口の中に入れたままにしてみた。
…甘い、そして美味しい。
しばらくすると、口の中のそれはなくなってしまった。
「…どう?」
マリィと綾が同時に言った。
「…美味しい…」
「チョコレートではないけど、神崎動物病院の神崎先生監修のお菓子だよ。チョコレートは絶対、食べさせることが出来ないけど、これならソレイユでも食べれると思って、マリィと作ったのよ」
「…やっぱり、食べれないんだ…。チョコレート」
「ごめんね、食べると命に関わるから、あげれないんだよね」
……命に関わる…。それは何を意味するのか、僕にも分かった。
人間と動物は作り物違うし、食生活そのものも違う。
人間には大丈夫なものでも、動物には例え1欠片だけでも口にすれば、死んでしまうのだ。
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