8人が本棚に入れています
本棚に追加
それが、お前は違うのだよって言われている気がしてちょっと寂しい。
「…プテちゃん、今ではアレルギーで食べたくても食べれない人もいるんだよ」
まるで、僕の心を読んだように匠が呟くようにそう言った。
「え?」
僕は驚いた。
「アレルギー物質を食べると、吐き気、湿疹、ひどい場合は死に至る。
生まれてすぐに分かるのもあれば、食べてみて症状が出て初めて、それが、アレルギーだというのが分かるのもあるんだよ」
「だから、プテちゃんにだって食べれないのがあるのは特別なことではないのよ」
これは薫が言った。
「この間、ワンちゃん、ねこちゃん用のお菓子を見たわ。見た目、私達が食べているのと同じで驚いちゃったわ」
マリィはニコニコしながら言っていた。
…そっか、今は動物用でも食べれるのがあるんだ…。
でも、僕は歯がない。
あれ、なんで僕はこんなことをウジウジ考えちゃうんだろう?
僕はずっと、お魚食べているのが当たり前だった。
だから何の違和感もなかったはずなのに…。
冴木家の家族になってしばらくたつのに…。
なんで、今頃、思うのかな?
「…ソレイユ、ちょっとおいで」
綾が左腕を差し出した。
僕はなんとなく従った。
最初のコメントを投稿しよう!