ビター・ビター・ビター・スイート

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「あ、あとさ」 「ん?」 「チョコレート作るつもりだったんでしょ、今から簡単なやつでもいいから作れる?」 「いいけど...でもあんまり上手に作れないかも。陽祐こういうの上手いから手伝ってもらうつもりだったんだけど」 私がそう焦りながら言うと、悠馬くんは 「いいよ、下手でも」 なんて言って。 「俺、他人が手作りしたものって苦手なんだよね。何してるかわかんないじゃん、薬入ってたりとかやだし」 「薬って...」 私が苦笑いを浮かべると、でも、と続けた。 「由紀の手作りしたものだったら食べたい。むしろ、由紀が作ったものしかいらない。ほかの男が手伝ったヤツとか特に嫌」 ー...あーもう。 彼は無自覚なのだろうか。 無自覚だと信じたい。
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