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夢をみた。
僕は真っ暗な部屋の中でノートパソコンのディスプレイを見つめていた。
その画面に表示されているのは出鱈目に並んだ文章。
未だに物書きというものに僕は固執しているようで。
何もいじっていないはずなのに勝手に打ち出される文字、消されていく文字、物語として形をなしていくのかと思いきや、突然、真っ黒く染まる。
その内、その世界でもまた、意識が朦朧としてきて……。
目を覚ますと、見慣れない天井と薄すぎる煎餅蒲団に違和感を覚えて思い出すまでに時間がかかった。
(あぁ、風俗でヌいたのか)
下世話なことを考えながら怠い身体にムチを打ち起き上がる。
時間を見ると、終電が過ぎたころ。今日は帰れないのかということを焦りと変な安堵感をおぼえる。
「お客様、目が覚められましたかー?」
間の抜けた声の方に顔を向けると、オカマっぽいcatchがにこやかな表情で立っていた。
「相当疲れてるから寝かせてあげてと女のコから言われまして、特別にプレイ時間のみでの計算のお会計となりまーす」
店の気遣いに感謝をしつつ、僕は言われた通りの値段を支払った。
金を支払い終わり、帰ろうとしたところ、彼(?)からもう少し休んで行ったらと勧められた。
気に入られたということではなく、店も終わりの時間で締めるだけだからということ。
一瞬、言葉に甘えようかと迷ったが止めた。
「いや、大丈夫です」
そう断り、立ち上がり、彼に連れられドアの外へ出る。
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