スイートメモリーズ

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幼い頃、じゃんけんをして勝った人の出した、グーとかパーとかチョキで、歩数を決めるっていう遊びがあった。 グーは『グリコ』 パーは『パイナップル』 そして、チョキは『チョコレート』 私はチョコが大好きだったから、いつもチョキばかり出して笑われてたっけ。 「じゃんけーん、ぽん!」 「あ、俺の勝ちー!グーリーコ!」 「じゃんけーん、ぽん!」 「また俺の勝ち!グーリーコ!」 お隣に住んでた幼馴染の陽ちゃんは、それがわかってていつもグーを出して私が勝てないようにしてた。 「もう!ようちゃんのバカ!みさも勝ちたいー!」 「だったら、チョキ以外出せばいいだろ?俺、グーしかだしてないもーん」 はるか遠くの階段の上からそう叫ぶ陽ちゃんは、いっつも意地悪で、それでも私は「チヨコレイトがいいのー!」って最後は泣きながら終わってた。 その頃の癖が抜けなくて、ジャンケンになると私はついついチョキを出してしまう。 だけど、今はそう頻繁にじゃんけんするわけじゃないから、私がチョキしか出さないことは周りの友達には気づかれてないと思ってた。 「ジュース買いに行くの、じゃんけんで決めよーよ」 お昼休みにそう言われて、グループ3人でジャンケンをした。
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