アッサンブレする天才

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バシッとデコピンをくらって、えへへと誤魔化し笑いを浮かべる。 もう、分かってるの? と眉間に皺を寄せたドロフェイに、「はいはい」と返事をする。 「まあでも、イメージは大切だよ、どんな時でも。誰かがそこにいればその人はお客さんだ。マドカの踊りを見るためにそこにいるんだから、どんな時だって最高の演技をね」 「はーい。ねえねえ、ドロフェイ。それじゃあ私がお客さんって事で、『眠れる森の美女』の3幕、デジレ王子のヴァリエーションやってよ! 生でローザのプリンシパルの踊りを見てみたいの!」 「えー、やだよ疲れるし。タクちゃんに踊ってもらいなよ、マドカタクちゃんのファンでしょ?」 俺には無理ー、と近くにあった椅子を引張てきて座り込んだドロフェイ。 そんなドロフェイの様子に、私は縋るようにその両肩をゆすった。 「それこそ無理だよ、絶対に無理! だって私のバレエの神様が目の前にいるんだよ!? 昨日の夜、一緒にご飯食べてるだけで鼻血噴きそうになったんだ から! バレエの神様からバレエ教わってだけでも、もう昇天しそうな勢いなんだからっ」 「ワオ、タクちゃんいつの間にかゴッドになってたんだね、すごいなあ」
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