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「な、なぁ、おいっ!なにしてるんだよ?もう死んでるんだろ?なんで、」
そう声をかけながら彼女へ手を伸ばす。
だが、透けた手は彼女の半透明な体を通り抜けるだけで掴めやしなかった。
その後、何回試しても結果は変わらず。諦めてただぼーっと屋上から街並みを眺めているだけの日々を送るようになっていた。
そして、今にいたるわけだ。
「なんで、突然見えるようになったのでしょう......」
彼女はうーん......っと悩み黙り込んでしまった。
そうやって悩んでいる間に、辺りはすっかりと日が沈んで。月明かりだけが残っていた。
「今日は半月か.....」
ぽつりと呟いてみるが、未だ悩み続けてる彼女には聞こえていないようだった。
その後、ずっと考え続けたが結局、答えを見出すことができず。
そのまま、時間だけが過ぎ去った。
次の日も、そのまた次の日も。そのまま変化は訪れなかった。
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