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その時、ベッドがギシッと音をたてたかと思えば、すぐ隣で何かが動いた。
びくっとしてそちらを見ると、口元まで深く被った布団に寝苦しそうに顔を埋める、短めで金髪の頭が見えた。
その瞬間嫌な想像が脳内を巡る。
さっき俺が勢いよく飛び起きたおかげで捲れた布団の隙間から、一度も日に焼けたことのなさそうな肌が少しだけ見えた。
隣の相手もまた、服を着ていない様子だった。
コンタクトを外していないせいで視界が霞んでぼやけてはいるが、それくらいは確認できる。
思わずベッドの中で距離を取った。
嘘だろ。
上半身だけなのか、はたまた全身なのか、それは布団に隠れているせいで見えなかったが、この状況じゃ確認するまでもない。
隣で寝ている女と一夜を過ごしたということだ。
記憶はないとはいえ、自分の軽率な行動を後悔し、俺は目元を手で覆った。
確かに暫くの間彼女も作らず、仕事仕事の毎日ではあった。
ストレスもそれなりにあった。
だが、見ず知らずの女と寝るほど飢えていたつもりも、人肌が恋しかった覚えもない。
めんどうなことになった…
寝ぐせがついてしまっている無造作な頭を垂れる。
が、暫くして俺はハっと顔を上げた。
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