最悪な目覚め

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少し目を閉じていると、思ったよりすぐに自宅の最寄り駅に着いた。 そこから歩いて数分のマンション。 そこが俺の唯一安心できる場所。 今の会社の管理課に務めて4年、ここに引っ越してからは3年になるか。 エレベーターで9階に上がり、ドアに鍵を差し込む。 昨日朝出てから1度も帰らなかった部屋はだいぶ冷えていて、外の方がむしろ暖かいんじゃないかとさえ思った。 仕事中心に生活をしているからか、俺の部屋はお世辞にも片付いているとは言えない。 そんなのは言い訳でしかないことは分かってはいるが、元々家事が好きでも得意でもないため、やろうという気さえなかなか起きない。 鞄とコートをソファに適当に放り投げて、シャワーを浴びるべく浴室に向かった。 熱めのシャワーを頭から被り、少しだけ鮮明になった頭で昨日のことを思い出そうと努力してみる。 頭上から垂れてくる水の線が何本かに分かれて足元に流れ落ちる様を見ながら数十秒。 俺は今日何度目かの、深い溜息をついた。 ダメだ。。 全く思い出せない。 せめて断片的にでも思い出せれば少しはマシなのに。 暫くして努力することを諦め、何も考えないようにしながら、いつもより丁寧に倍の時間をかけて全身を洗い流した。
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