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「お待たせしました」
一華は席につくとコートを脱ぐ。
…細いけど意外と胸大きいのね。
職場ではあんまり分からなかったけど…。
倫子はそこまで思ってから、慌てて
(私の巨乳には負けるわ!一華はパットでも入れたのよ)
と打ち消す。
(それより、誰と待ち合わせしてるのよ?)
倫子はテーブルに顔を近づけ、
覗き込むようにして一華の向かい側を見る。
「いいえ。まだ五分前ですよ」
…ん?この聞き覚えのある声は…
「有難う、凌駕さん」
(神谷凌駕かみやりょうがについては、Cafe Phantom参照)
一華は答えた。
…そう、凌駕さんよ。忘れもしない(~媚薬参照~)
なんて優しい顔で笑うのかしら…。
短髪黒髪、整った顔立ち、
柔らかな光を宿したインディゴブルーの瞳。
心もち日焼けした肌。
なんか妙にセクシーなのよね♪
黒髪で濃い青い瞳って、
ありそうで中々無いと思うの。
背高いし、足長いし。鼻も高いし。
やっぱなんかこう…人間離れした美形なのよ。
だから、あそこも固くて特大サイズなんじゃないかしら…。
セックス上手そうだわ。
それにしても一華、待ち合わせってどういう事よ?
やっぱり付き合ってるんじゃないの!
それともまさか…不倫?
…有り得るわ!凌駕さん奥さん居そうだもの…
ズルいわ!一華!
凌駕さんのアレを味わってるのね。
分かったわ!
だから、胸が大きくなったのね!
「さ、そろそろ行きましょうか」
凌駕の声で、
倫子は夢から覚めた。
会計に向かう二人の後を慌てて追う。
…倫子が妄想を膨らませている間の一華と凌駕…
「今日は編集の仕事もCafeもオフの日なので、
暇なんですよ。私も、星影光輝ほしかげこうき
(Dark Angel Therapy参照)
さんにお会いしたいと思ってましたから」
と凌駕は微笑む。
魔族だが陽の光がよく似合う。
その反面、闇も似合うから不思議だ。
「あら?まだ対面して無かったの?」
一華は意外そうに問いかける」
「ええ。
あちらはクリニックがオープンしてバタバタが続いてましたし。
会おうと思えばいつでも会えるのですが、
そうなると逆に中々…」
と凌駕は少し照れたように笑った。
「あ、なんか分かるかも」
一華はふんわりと微笑んだ。
見る者に癒しを与える花が開くような笑み…。
「それはそうと、また…」
凌駕は急に真面目な面持ちで切り出す。
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