第1話 倫子再び

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第1話 倫子再び

※媚薬の続編です※ 「何よ?一華??」 倫子は驚愕の声を上げた。 (あら嫌だわ♪道行く人が私を振り返る♪ 美しいって罪ね♪) 倫子は自分を振り返っていく人々を見て、 浸る… 道行く人からしたら、倫子は木陰にしゃがみ込み、 何かを隠れて見ている不審者にしか見えない。 警察を呼ぶべきか?撮影か何かか? と迷い振り返って行く…。 倫子はあれから、仕事を辞めた。 自分が不倫しているのがバレていた上に、 実は夫も二人の女と不倫していた。 二人の子供達は情緒不安定…。 ここは、 私が家庭をしっかりと守るべきであろう、 との判断で退職をしたのだ。 かれこれ15年以上勤めた。 思ったより退職金も出た。 退職する日、職場から花束と共に 飲み会を開いて貰った。 女子しか居ない職場だ。 お酒が入ると、人の話等どうでもよくなる。 各自雑談が始まったのを見計らったように、 一華はビール瓶と自分のグラスを持って、 倫子の隣に移動する。 「…な、なんなのよ? あれから、ミカエルには近づいて無いし、 凌駕さんとやらにはあれから会えてすらいないわよ」 と言いつつ 倫子は凌駕が背後で囁いた時に見た脳内の 悪魔達の恐ろしい姿を思い出し、身震いした。 一華は ほぼ空になっていた倫子のコップに ビールを注ぎつつ、 「そのミカエルなんだけど、大天使なの。 で、凌駕さんは魔族ね」 とサラリと言う。 「は?あんたあたしを揶揄ってるの?」 倫子はムッときつつ、注がれたビールを飲む。 「まさか。あなたを揶揄うほど、 私達仲良しじゃないわ」 一華は至って冷静に倫子を見つめる。 倫子は益々ムッときた。 「だからミカエルに近づいたらあなたが後悔する、 て言ったでしょ。 人間離れした彼の動き、何よりあの容姿。 分かるでしょ。凌駕さんもそうよ」 一華は淡々と続けた。 …確かに、ミカエルと凌駕のあの美貌、 それに瞬間移動したとしか思えないあの動作… 倫子は過去を振り返る。 そしてあの悪魔達の姿… 倫子は半信半疑になった。 だが、この一華こそ怪しい… 倫子はキッと一華を見据えると 「なんであんたがそんな事知ってるのよ? あなたも、まさか人間じゃ無いとか言い出すつもり?」 と切り返した。 一華は冷静に彼女の視線を受け止め、 「私は人間よ。ただ少しだけある感覚が敏感なだけの…ね」
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