またねの教え

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これは私の入学初日の話である。 入学式を終えた後に教室に戻って先生からなぜか『またね』という言葉の授業が始まった。 「君たちは『またね』という言葉を扱ってるだろう。だが、歴史があるんだ」 「どうせ、浅い歴史ですよね」 クラスメイトの男子が言う。 「お前ら、そうだと思ってるのか?アホだな。『またね』は……」 私はちゃんと話してくれると思っていた。しかしこの人は違った。 「俺らの先祖だった猿人さんの時代にあったのだ。メスの猿人とオスの猿人が初めてあった時、オスの猿人がなんて言ったか分かるか?『またねぇな』だ。これが『またね』の語源だ。そしてメスの猿人は考えた。木の棒利用できないかと。しかしメスの猿人は怒って木の棒に言った。『またにならねぇ』。これが女性が始めて使った『またね』の時だ。そしてだ、その棒を拾ったオスの猿人が興奮して木と木をこすり合わせて付いたのが火だ」 私は思った。 (何言ってるの、この人。猿人、日本語知らねぇよ。あくまで本の知識だが……) 「おいおい、どうした?お前たち、高校生にもなって正式名称はまだ言ってないだろ?そうだろ?」 クラスのみんなは一斉に首を振る。 私は思った。 (これはセクハラ以前にパワハラか?いや、ただ教えて貰ってるし彼の言う通り言葉を濁している。悪くは無いのか……) 「よし、その後、『またね』という言葉は戦という者により、言葉を慎まれることになった。そして平安時代に時代は移り変わる。平安時代のブームがあった。何か知ってるか?」 (ブームと言えば本で読んだことあるが、アレだろ。でもこの人の場合は違うんだろうなぁ) 「それは紫式部の『清少納言』ですか?」 男子生徒が答える。 「おいおいおい。ライバル二人をセットにしてはならん。紫式部は『枕草子』……じゃなくて『源氏物語』だろ?」 私は思った。 (お前もセットしそうになりかけてるじゃんか!!) 「とにかくおしい。君たちが夏にやりたくなるようなアレだ」 「スイカドッジボール」 女子生徒が答えるとすぐに反応して先生はツッコミを入れた。 「できるか!!」 「フワフワとしてるのでできますよ?」 「ピーチボールのスイカね。でも、スイカ割りもそれも違う。まぁ、女子には怖いかな?でも泊まり会には話したくなるだろ?」 「恋バナ?」 また別の女子が答える。 「似てるが違う。ってか怖くな……くもないか。あるだろ?他にも……」
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