5人が本棚に入れています
本棚に追加
私の自室に入り、近くにあった椅子にフェリシアを座らせる。
フェリシアはローブを脱いだが、その身に羽織っていた洋服はもう古びていて洋服とは呼べないような物だった。
「…私の洋服でいいか…?これよりはマシだろう…。」
「…ごめんなさい…。」
そう言って俯いたフェリシアの髪を梳くようにして撫でた。
フェリシアはピクリと肩を震わせ、怯えた瞳で私の事を見て来たが、やはり古びた屋敷の住人に人体実験以外にも何かされていたのだろうか…。
「大丈夫、私は君を傷付けたりはしない…。」
「…っ」
「とりあえず、風呂入ってから着替えた方がいい。このローブを。そしたら案内する。」
フェリシアは私が手渡したローブを再び羽織り、私の隣に立ってくれた。
この再会で再び私の運命が動き始めたともこの時はまだ知らずに居たのだった。
最初のコメントを投稿しよう!