1人が本棚に入れています
本棚に追加
プロローグ
この物語はフィクションです。登場する人物、地名、会社名、サービス名など全て実在のものとは無関係です。
─ およそ15年前 ─
あるケータイサイトにこんな言葉が書き込まれた。
あたしは末期のガンでもう長くない。やからといって煙草も酒もやめてへんし、入院してるわけでもない。
カレシと同棲してる。
好き勝手してる。縛られたくないから・・・
そんなあたしのお腹にはひとつの命が宿っている。
彼にはまだお腹の子のこと伝えてない。
体型の変化はガンによるものだって伝えている。
あたしの体はもう限界で、この子を産んだらあたしは死ぬらしい。
それでも産みたいと思ってんねんけど、この子も彼も幸せになれない気がして・・・
親のいない子の気持ちは、あたし自身にも親がいてなかったからようわかる。
このまま黙ってお腹の子と二人でこの世を去った方がええんかな。
それやとアカンのんかな。
弱気なあたしに、誰か喝を入れて! 同情はいらん!
眞琴(18歳 ♀ )
この書き込みから15年後の未来に、ひとつの物語が始まった。
最初のコメントを投稿しよう!