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誰もいないマンションの部屋へと帰ってきて、健人の姿を探す。
「……健人。どこにいるの?私を、助けてよ……」
ポツリと呟く声とともに、和香子の目から涙が零れる。
今日のように仕事で失敗をしたり、嫌なことがあったときには、いつも健人が慰めてくれていた。
どんなに疲れて帰ってきたときにも、健人が包み込んで癒してくれていた。
やっと和香子は、自分がどれだけ健人に依存していたか、今更ながらに思い知った。二人でいなければ生きていけないのは、健人ではなく和香子の方だった。
『愛してるよ、和香子』
いつもそう言ってくれていた健人の声が聞こえたような気がして、和香子は振り向いた。
でも、健人はそこにはいない。
いつも側にいてくれていたのに、和香子は自分からその手を離してしまった。いくら今更涙を流して後悔しても、健人は帰ってはこなかった。
せめて眠ることができたら、この辛さから逃げることもできるのに、和香子には眠りも訪れてくれなかった。
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