天国の母へ

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あの時を思い返すと、私は悲しくて涙が止まらなくなる。 私は、愛する妻を半年前に亡くしたばかりだった。 あの時、もう少し早く私が気が付けば… 後悔しても取り返しがつかないことだとわかっているが、私は、やるせない気持ちでいっぱいで、気持ちの整理がつかない状態が続いていた。 私の名前は沖田 直樹(おきた なおき)、22歳の時、妻の恵(めぐみ)と結婚し、翌年娘を授かった。 娘の名前は遥(はるか)、15歳の中学3年生だ。 遥も母親を亡くして悲しいだろうに、私に対しては、ごく普通に接してくれていた。 この遥の様子を見て、いつまでも立ち直れない私は、なんて不甲斐ない人間だと感じずにはいられない。
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