今宵サンタは軽バンで

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「もしもし、僕だけど。」 「はいはい、アタシですけど?サンタさん」 「ケーキありがと……。驚いたよ」 「でも、ホントに味は保証しないよ?」 「うん……それでね……ゴメン!!」 「え!?なんのこと?」 「今から、どうしてもこのケーキをプレゼントしたい人がいるんだ」 「・・・・・・・」 「もしもし聞いてる?」 「聞いてるよ。わかった……その相手も、何となくね」 「ホント?ありがと!ゴメンな。」 「もうゴメンはいいから。だったら、急いだ方がいいんじゃない?もう結構な時間だよ」 「うん。行ってきます!」 相手がわかったって言ってたな、そういえば食事の時によく話してたか。 もうずいぶん遅い時間だ……まだ起きてくれてるだろうか? ソリ替わりの軽バンを飛ばして、僕は一軒のお宅の前に駐車した。 ずいぶん古い家なので、チャイムもない。 「夜分にすいませーーん!こんばんわーー!おばぁーちゃーーん!!」 暫らく待っていると、奥から優しい声がした。 「はいはい、今行きますよ……こんな時間に どなたですか?」 「僕です。保険の担当でお世話になっています。今日はこんな格好ですが……」 「あらまぁー、驚いた!それに、ずいぶんお若いサンタさんですこと」 「突然こんな遅くにゴメンなさい。プレゼントをお届けに参りました」
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