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で、翌日またこの真っ白い空間にただずむ俺。
何やらまた、昨日のまったく同じ姿をした死神がもじもじしながら俺の前にたっている。
「あの、良かったらこれ受け取ってください」
「……………………」
ひたすら無言の俺。
死神がもじもじと差し出してきた、やはり包装も何もされていないむき出しの板チョコ。
ただひとつ昨日と違うのは、やけに黒いチョコではある。
「今日は、どういったご用件で?」
俺は目を細めて、冷たく言い放ってやる。
「あの、ですね。あなたの駄目っぷりに酷く驚いた神様が哀れんでくださりまして、死神のバイトで世間の荒波に揉まれながら改善できるようにと、今日はスカウトに来ました。死神不足も解消できますし、私としてはやって貰えるとありがたいんですけど……それで、このブラックチョコを食べれば死神になれますけど、食べませんか?」
「いらんわぁあああ!!」
俺は、そのチョコ奪い取り床?に叩きつけ粉砕させてやった。
余計なお世話だ、神様とやら!
「ああ! なんてことを! ちなみに神様はですね、昨日連れていきましたお宅の猫です」
ミーちゃんが、いきなり神様まで出世しとる!?
「食べ物を粗末にするな、小僧!」
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