第1章

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S氏に指令を出した北半島国 胡麻擂り1号(以下1号)が北半島国最高指導者に報告する。 「遂に手に入れることが出来ました!」 「ゾンビ菌の特効薬、丸〇屋ののりたまこを、か?」 「はい、その通りです」 「良くやった! 直ぐにゾンビを用意しろ!」 「かしこまりました」 最高指導者の御前で、ゾンビ菌特効薬の効き目を確認する実験が始められた。 「オイ! それで何袋目だ?」 ゾンビにのりたまを食わせる指揮を執っている将校が、最高指導者に敬礼して返答する。 「此が1箱目の最後ののりたまです」 「オイ! 1号!」 「は、はい!」 「友好国から入手した情報では、のりたまこを1包食わせればゾンビから人間に戻ると書かれていたのに、どういう事だ!?」 「そ、それは」 「恐れながら申し上げます」 胡麻擂り2号(以下2号)が横から声をかけた。 「何だ!」 「ゾンビに食わせているそののりたまと、ゾンビ菌特効薬ののりたまこは別物なのではないでしょうか?」 「何だと? どういう事だ!」 「特効薬はのりたまこです。 しかし箱に書かれている商品名は、のりたまです。 最後の一文字がありません」 「オイ! 1号! 僕に偽物を寄越したな、覚悟しろ! 2号!」 「はい!」 「此奴と家族を再教育センターに送れ! それからあの国に対し、核弾頭搭載ミサイルを撃ち込まれたくなければ、のりたまこを全て寄越せと言ってやれ!」 「仰せのままに」
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