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「あれ?空いてる…。」
肩まで伸びた黒い髪を内側に巻いた大人しそうな20代くらいの女の子が入ってきた。
「すみません、今日貸切で…外にクローズ出してなかったかな…。」
「あ、ホントだ!すみません。よく見てませんでした。」
そう言って帰ろうとしたその時
「いいよ いいよ飲んで行きな。」
「いいんですか?先輩??」
「若い女の子がこんな寂れた路地裏のバーに来るなんてなんかあったんだろ? 。」
「えっと…。」
女の子は少し気まずそうな顔をしている。
「先輩もこう言ってるんで飲んで行ってください。」
すると女の子はゆっくりと席に着いた。
「えっと…う、ウイスキーください。」
「お、随分と強い酒飲むねぇ。何かあったの?」
「まぁ、ちょっと今日は酔いたくて。」
「若い女の子がこんなとこで酔ったら危ないからカシオレにしときな。」
少しムッとしながら
「若い女の子って私とあなた歳そんなに変わんないですよね?」
「オレ28だけど、君は?」
「23です。」
「先輩童顔だから歳下に見られても仕方ないですね(笑)。」
ギロリ
「うるせーな!クマちゃん。」
「その名前で呼ばないで下さいって。」
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