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「で、なんかあったの?こんな誕生日って言ってたけど?まぁ言いたくなかった らいいんだけど…。」
「………彼氏と別れたんです。」
「そうか、まぁ君ならまたいい人が見つかるさ、男なんて星の数ほどいるんだから。」
「しかももう彼には新しい人もいて。わたし今日気がついて。私の小言が嫌だって言われちゃいました。」
「そういえばまだ名前聞いてなかったね。」
「あぁ、すみません。わたし飯塚香織(イイヅカカオリ)っていいます。」
「オレの名前は…。」
「わかります。フミヤさんですよね?さっきマスターが言ってました。」
史哉はそうだっけ?と紅真の方を見た。
「で、飯塚さんはどうしたいの?」
「わたしは…。」
「コウマ、ハイボールおかわり!」
「はい。」
フミヤは少し残った酒を飲み干した。
「なんかゴメンな悩ませちゃったな。質問の仕方を考えよう。彼とよりを戻したいのかそうじゃないのか。」
「…戻したくないです。」
「お、女の恋は上書き保存っていうもんな!未練はもうないんだ?」
「全くないと言えば嘘になります。…けど、彼にはもう新しい人が…。」
「そんなの気にしなくていいんじゃない?まだ相手は結婚してないんだろ?」
「そうですけど…。」
「逃した魚はデカイかもしれないぞ?大切なものは失ってから気づくからなぁ。君かなり落ち込んでるじゃないか。」
「私が落ち込んでるのは今日誕生日にこうなってるっていう状況です。誕生日なのに…最悪。」
コトン ハイボールが史哉の前に置かれた。
「じゃあ別れが明日だったら良かった?」
「それは…。」
「最悪な事は何時起こっても最悪なのさ。」
「そうかもしれないですね。」
「イイヅカさん真面目っぽいしいい人がまた見つかるさ。」
「真面目ってどこら辺が真面目ぽいですか?」
「会話の中からオレの名前を読み取ってたし酒頼んだ時おどおどしてたからバーとかあんま来ないだろ?」
「…はい、ここに来たのは前に友達と通りすがったところにここ見つけて今度こよーねって話てたんですけど。今日たまたま近くまで来て。飲んじゃえって思って。」
「彼の何処が好きで付き合ってたの?」
「え?…そうですね…あれ?何が好きで付き合ってたんだっけ??最初に告白されてなんとなく…嫌いでもなかったんでOKしたんですけど…。」
「付き合ってるうちに私も好きかも?と思い始めたと…。」
「そうです!そんな感じです。」
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