*一杯目*

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「じゃあ、嫌いなところは?」 「そうですね。甘ったれで頼りないところとかパチンコとかギャンブルばっかりやってるし、タバコも嫌だし、服装がだらしない、お風呂にちゃんと入らない、ゴミをゴミ箱に入れないし、食べたら食べっぱなし、イビキも酷いんです。」 「…君ホントに彼の事好きだったの?」 「全然好きじゃなかったのかも…。早く別れて良かった。良かったかも…。」 カラン 史哉は微笑みながら酒を飲んだ。 「なんか話せて少しスッキリしました。ありがとうございます。お会計お幾らですか?」 「え?自分からのプレゼントのカシオレしか飲んでないのでお金はかかってないですよ。」 「いえ、私のじゃなくてフミヤさんのお会計です。相談料として払わせて下さい。」 史哉と紅真は思わず顔を見合わせた。 「…えっと880円です。」 飯塚香織は少し考えたあとに 「じゃあ、これで。お釣りは要りません」と言い3000をテーブルの上に置いて出口の前で一礼して出て行った。 「真面目だなぁイイヅカさんサラダの分も払って行ったぞ。」 「それにしたって多いですよ。」 「多分相談料のつもりだろ?」 「じゃあ1000円は先輩に…。」 「いや、今から1000円分食うからそっから払ってくれ。唐揚げ、唐揚げ食いたい。」 「はいはい、ちょっとまって下さい。」 今日の水曜日の夜はここまで ではまたBARワンダーベアーへお越しください。
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