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「木ノ子さん、はいほらアーンしてごらん?」
僕は今、自分で作ったパフェを隣に座っている女の子に食べさせようとしている。
だけど女の子は警戒しているのか戸惑った表情で口を開こうとしない。
遠慮なんかしなくてもいいのに。
僕が何者かなんて君はまだ知らないんだ。
もうちょっと、遊びたいんだよ君と。
「あ、あの。どうして私の名前をご存知なんですか?」
そりゃ知ってるさ。
奈倉木ノ子……っていうのは偽名で、本名は田倉美乃子ってこともね。
「E組の転校生なんでしょ?同じクラスじゃなかったのは残念だけどね。ところで君は僕の名前知ってるの?」
「もちろん知ってます!A組のだ……って。伊達くん、ですよね」
だって?惜しいな……発音が非常に惜しい。
「そう、伊達優作だよ。ねえ木ノ子さん、僕のこと知りたい?」
「え!?あ、はい、知りたい……です」
「あっそ。じゃあはい、アーンして。このパフェを僕のサーブで全部食べ切ってしまえたら、僕について教えてあげるよ……」
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